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2024/11/28

(._.)

そういえば納豆の日が近いということを思い出しまして。
ちなみに思い出したの7/9です。
近いってか明日じゃんみたいな。
そんなわけでゲリラ更新がてら速効で納豆記念書いてみました。
やっつけ仕事過ぎですが。

朝早く、補佐の一人にたたき起こされ(叩かれたのはドアだが)、顔も洗わないまま仮面を被った。
寝ぼけ眼をこすることも叶わないままドアのロックを外すと、そこには若干涙目の補佐。
どうしたのかと問えば渡されたのは一枚の紙切れ。
数字の書かれたそれはどう見ても請求書で。
本当に何事なのだと追及すると案内された部屋に大きな箱があった。
中には大量のアルコール類。
恐らく請求書はこのアルコール類の請求書なのだろう。
なんの嫌がらせだこれはと仮面の下目を丸くしていると、ポケットに入れたままにしていた携帯が震えた。
ディスプレイに表示された名前に眉を顰めながら踵を返し、部屋に戻りすがら通話ボタンを押した。
『やぁ枢木、久しぶりじゃないか。』
「その名前では呼ばないでくれと僕は何度も言ったよ。」
『固いことを言うな。』
「それで、君が僕に電話してくるなんてどういう風の吹きまわしだい?」
『私の贈り物は届いたかと思ってな。』
贈り物。
その言葉で思い浮かべたのは先ほどの光景だ。
「あの大量の酒と請求書?」
『ああ、届いたんだな。』
「どういうつもり?あんなにたくさん・・・」
『年に一度でいいから嫌がらせしてくれと、『アイツ』に頼まれてたのでな。』
声の質をほんの少しだけ和らげて呼ばれた『アイツ』のことを思い浮かべて、スザクは静かに息を吐く。
生前に、わざわざ年に一度の嫌がらせを頼んでいたのか。
複雑な気分になりながら部屋に戻り、ふと目についたカレンダーを見て絶句。
まさか。
C.C.・・・まさかッ・・・」
『たまにはヤケ酒でもしろ。じゃあな。』
「ちょ、まッ・・・」
プツンと耳元で音が鳴った。
慌ててかけ直そうかとも思ったのだが、彼女はどうせ口を割らないだろうと諦めて携帯をデスクに置く。
偶然の行動か、今日が何の日か知っていての行動か。
C.C.が己で考えて実行したのなら前者だが、嫌がらせをする日時まで『アイツ』が指定したとしたら。
そこまで考えて、あまり自惚れるものではないと自制した。
そういえばまだ顔すら洗っていなかった。
それを思い出して溜息を一つ吐いたスザクは仮面を外して欠伸をした。
 
 
*** 

 
珍しい事にこの日は会談も何も予定が無く、やる事といえば細々とした書類整理くらいで、いつもよりゆっくり流れるように感じる時間に身を委ねながらスザクは窓の外を見ていた。
窓から見える空はいっそ何故か憎らしくなるほど澄み切った晴れ模様で、手に持ったままだったペンを置いて立ち上がる。
窓辺に立てば仮面をつけていない顔を風が撫でていく。
その心地よさに目を細めたその刹那、コンコンというドアをノックする音が聞こえた。
『ゼロ、少しよろしいですか?』
その声に内心ドキリとしながら慌てて仮面を手に取り被る。
鏡で身なりを確認し入室を促せば、開いたドアの向こうからひょっこりと顔を覗かせたのは見知ったはずの少女だった。
車椅子の彼女は膝に大き目の箱を乗せて、そのまま真っすぐゼロの元にやってきた。
「お忙しいところごめんなさい。」
『いや・・・それよりもどうなさったのですか』
「ケーキを焼いたんです。だからゼロにも食べていただきたくて。」
そう言ってあどけなく首を傾げたナナリーは、ゼロのデスクの上に膝の上に置いていた箱を乗せた。
中には真っ白なクリームに赤く色付いたイチゴがふんだんに飾られたケーキ。
甘い匂いが充満する。
ナナリーはケーキと一緒に皿とフォークとナイフも持ってきていて、慣れた手つきでケーキを切り分けた後皿に乗せてゼロに差し出す。
今渡されたところで仮面を被ったままで食べることはできないのだが、どこか有無を言わさない雰囲気があって、ゼロは大人しくそれを受け取った。
そしてよく見るとそのケーキの上にはチョコレートでできたプレートがあって、そこに「HAPPY BIRTHDAY」と白い文字。
汗がにじみ出る。
『ど、どなたかの誕生日だったのですか』
「ええ、今日はとても大切な人の誕生日です。」
『では何故私に・・・』
「あなたに食べていただきたいからです。私の大切な人はもう食べることができませんし?」
料理の腕はお兄様仕込みですから、味に自信はありますよ。
そう微笑まれればゼロはもう何も言えない。
実はもうとっくに正体なんてバレているんじゃないだろうか。
『ほ、本日の・・・公務・・・は』
「あら、私にだって大切な人の為にケーキを作って、大切な人と食べる時間くらい作れます。」
あなたの為に作ったんですから早く食べてくださいとほほ笑んだナナリーに、ああやっぱりもうバレてるじゃないかと絶望して、仮面を外そうと伸びてくる白い手を浮かんだ涙越しに見つめながら、実は彼が天でハハハ敏いな流石は我が妹だと高笑いしてるんじゃないかという予想を立てて涙が浮かぶ思いだった。




:::
私の書く誕生日記念小説はいつも報われない気が…むしろ仕様です。

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2009/07/10 雑記 Trackback() Comment(0)

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仕事中に妄想するのが仕事。
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